1. 《和声と創意への試み》作品8−1より 協奏曲第1番 RV.269
「春」
第3楽章 アレグロ
「四季」は、ヴィヴァルディの作品中、最も有名な曲と言ってよいでしょう。その中でも「春」は、明るく軽やかな曲調で特に人気があります。「四季」「春」「夏」「秋」「冬」というタイトルはヴィヴァルディ自身がつけたものではありませんが、各楽章に「ソネット」(短い詩)がつけられているため、標題音楽(※1)の代表的なものとされています。
ソネットは、ヴィヴァルディ本人の作という説も有るものの詳しい事はわかっておらず、作者不詳とされています。
最も有名な曲にもこのような謎が残っていることからも、長い間忘れられていたヴィヴァルディという作曲家の研究が、まだ途上であることが伺えます。原曲はバイオリン協奏曲ですが、「春」の3楽章に添えられたソネット、「牧歌的な笛の調べに乗って ニンフと牧童はおどる 麗しく輝く春の光の中で」にちなみ、今回のコンサートではリコーダーの二重奏と通奏低音による演奏です。
(※1)情景、自然、感情などを描写する音楽。